大空ひろしのオリジナル小説

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嫁姑問題、タッチしたくない

永遠のテーマだと思う。恐らく家族があるかぎり永遠かも知れない。


私の経験談から。
ある家庭を訪問。私の仕事の大半は無住居の部屋での仕事。
だが、住んでいるお宅にも出向く。


長年定期的に通ったお宅。邸宅と呼べる立派なお屋敷。
ご贔屓にしてくれた人間的にも尊敬できるご夫婦。常に対応してくれるのは奥さん。


ご主人の立派だが、奥様も思いやりが深く立派な方だった。
ご夫婦の子供達が未だ中学生の頃からの付き合い。
やがて結婚した息子夫婦や娘夫婦は一緒に住んで無く、離れた地域に暮らしている。


息子さんの嫁さんにも会ってるし、会話も普通にした。
お嫁さんに対する感想は、美人で控えめな感じの普通の女性という感じ。過不足無し。


子供夫婦とは別に暮らしているし、訪問先の奥さんは優しい人で、嫁さんにも取り立てて文句も殆ど言わない。
だが、こんな家庭にも嫁姑問題、と言うより不満はあったようだ。


自分の娘のように、文句や不満をストレートに発散出来ないだけに、私のような他人に
ボソッと零すことも。
(こんな人間的にできた奥さんでも、嫁に対して不服を抱くのか?)
と、思う。
私としては、だからといって奥さんの評価を下げてはいない。むしろ、結構家族の内面的な話をしてくれたことに、信用や信頼されていると嬉し感じた。


私の仕事は、仕事内容によってはあちこちの部屋に入る。寝室にも娘の部屋にも。
メイドの様に、監視無しのフリー行動である。
この仕事の大事な点の一つとして、信用信頼を持ってくれるかという要素が大きい。


余談として、その邸宅に庭の手入れ要員の若者が数人来ていた時期があった。
まともに働かない若者達だったとみて、奥さんは私に不満を漏らした。


「休んでばかりで何時仕事してんだか。それに、何か怖いのよね。だから、鍵の確認を何回もしている」
建坪100坪の広い家なので。出入り口や窓が沢山ある。
若者等も、強盗などする気は毛頭なかっただろうが、雰囲気がヤバかったようだ。
結局短期間でお断りしたそうだ。


人は経験を積めば、立ち居振る舞いを見て相手がどんな人物かが、ある程度分かるもの。


一家のもう一つの柱である妻が、自分の夫や子供達に不満を抱くのは自然なこと。多いか少ないかの差だけ。
況してや嫁は他人である。心証を見抜けない、または、見たくないとなると不安が湧く。
もう一つ、息子が虐げられていないか、良いように扱われてないかと何故か思ってしまうものらしい。
なので、息子大事さに文句も出よう。誤解も生もう。ある意味仕方が無いこと。


中には、自分の思い通りに嫁を動かそうとする姑も居るようだが、これはどうにもならない存在。運が悪かったと思って諦めよう、距離を置こう。


女性は、身近な自分の家庭や家族を守るという意識が強い。
男は社会で揉まれるというのもあり、より広い観点を見る。
男は家庭を顧みないと言われる事もあるが、状況にもよるが、男って決して楽しているのでは無いと、世の女性諸氏にも理解願いたいと勝手ながら思う。


因みに私の場合、母は早くに他界しているので、妻には嫁姑問題は最初から無い。