駿人は、暇を見ては秋葉原のメイドカフェを回る。静子の言葉に含みを感じたからだった。 成美という姉が居る。そして、多分可愛いだろう妹。何ともあやふやな情報を頼りに頑張る。 最も、駿人には別の思惑もあった。女性というか、女子に慣れて置きたい気持ちだ。 駿人は元来、メイドカフェなどの場所は好みで... 続きをみる
2023年9月のブログ記事
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新たな展開 駿人は自分の部屋で、怒るやら安堵するやら、気分が落ち着かない。 「おーい、お静! 居るのか?」 暫くして、 「うるさいな。もうウチの事は消えて欲しいんでしょ? 呼び出さないでよ。アラジンに出てくるランプの精の魔人じゃないんだから」 「あれ? 俺の召使いじゃ無かったっけ」 「冗談は... 続きをみる
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違った真実 母親には豪放磊落という表現が相応しい。しかも、遠慮無くドシドシ駿人の心の中に入って来る。 駿人はどちらかというと父親似。大人しく、見た目より神経は繊細だ。 そんな息子の性格を知ってか知らぬのか。母親は言い難(にく)いことでもズバズバ話してくる。 当然、青少年時代の駿人としては... 続きをみる
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新たな不思議 年も明け、新年の決意も無いまま駿人は惰性の中に居た。 「よう、元気だったか?」 静子の登場だ。 「久しぶりだったね。また過去身の話をしに来たのか? 退屈しているから聞いてあげても良いよ」 「それがね、ウチ、死んじゃったみたい」 「何、それ?」 駿人は思わず身を起こす。 「俺は... 続きをみる
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今まで彼女が居なかった駿人に、どう間違えたのか待望の彼女が出来た。しかし、彼はそれで喜び安心した訳では無い。 ややもすると、彼女を手放したら二度と自分に、彼女なり結婚相手が現れないのでは無いかと時々不安になる。 何せ、自分の過去身である静子は、男に対して手玉に取るように冷たく接して来た。 ... 続きをみる
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経験値 駿人と茉莉の仲は順調に進む。ロードバイクで一緒にサイクリングコースを走る。それがやがて、自転車を離れてもデートをするようになる。 茉莉は学生。普通の家庭出身なので当然お金に余裕が無い。何処に行くにも交通費、食事代を駿人が出していた。 駿人はそれを惜しいとは思わない。 初めての、所... 続きをみる
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静子は語り始める。 静子達本土に残る女性達も工場などで働かされる。労働以外にも、敵と戦うために、それこそ竹槍の訓練をさせられる。 その指導に遣って来たのがそのエリートなる士官候補生。 彼は、隊列して「エイッ、ヤー」と竹槍を振るう女性達を、他の指導員と共に見て回る。 そして、静子の近くに来... 続きをみる
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「やあ、この前はどうも」 「走んないの?」 「ウチらの周りでは見られない田園風景が珍しくて、見取れていたんだ」 茉莉は自転車を降り、駿人の側に来る。 「今日は1人?」 「ミニロードレースがあって、その大会にメンバー達行っちゃって、今日は1人」 どうやら、いつものメンバーはどこかの大会に行ったら... 続きをみる
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ロードバイク 駿人は手賀沼周辺を周回するサイクルロードに来ていた。 最初は近くのサイクルロードを走っていた。が、その道に出るまでが、車が激しく行き交う道路を走り抜けなければならない。 短い間隔の信号や混雑した道をロードバイクで走るのはどうも苦手で、とにかくゆったり走れるサイクルロードを求め... 続きをみる
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「また、あの女性と楽しむ積もり? お金払って」 静子は更に食い下がるように聞く。 駿人は面倒臭そうに、 「いや、彼女とは一回で十分」 「思ったより、そっちの方はさっぱりしてんだね。覚えたてというのは、とかく遣りたくてしょうがなくなるもんだけどな」 「お、静もそうだったのか?」 「『お』、で、切... 続きをみる