大空ひろしのオリジナル小説

オリジナル小説や音楽を

2023年9月のブログ記事

  • 過去から今日は 20

     駿人は、暇を見ては秋葉原のメイドカフェを回る。静子の言葉に含みを感じたからだった。  成美という姉が居る。そして、多分可愛いだろう妹。何ともあやふやな情報を頼りに頑張る。  最も、駿人には別の思惑もあった。女性というか、女子に慣れて置きたい気持ちだ。  駿人は元来、メイドカフェなどの場所は好みで... 続きをみる

  • 過去から今日は 19

     新たな展開  駿人は自分の部屋で、怒るやら安堵するやら、気分が落ち着かない。 「おーい、お静! 居るのか?」  暫くして、 「うるさいな。もうウチの事は消えて欲しいんでしょ? 呼び出さないでよ。アラジンに出てくるランプの精の魔人じゃないんだから」 「あれ? 俺の召使いじゃ無かったっけ」 「冗談は... 続きをみる

  • 過去から今日は 18

     違った真実  母親には豪放磊落という表現が相応しい。しかも、遠慮無くドシドシ駿人の心の中に入って来る。  駿人はどちらかというと父親似。大人しく、見た目より神経は繊細だ。  そんな息子の性格を知ってか知らぬのか。母親は言い難(にく)いことでもズバズバ話してくる。  当然、青少年時代の駿人としては... 続きをみる

  • 過去から今日は 17

     新たな不思議  年も明け、新年の決意も無いまま駿人は惰性の中に居た。 「よう、元気だったか?」  静子の登場だ。 「久しぶりだったね。また過去身の話をしに来たのか? 退屈しているから聞いてあげても良いよ」 「それがね、ウチ、死んじゃったみたい」 「何、それ?」  駿人は思わず身を起こす。 「俺は... 続きをみる

  • 過去から今日は 16

     今まで彼女が居なかった駿人に、どう間違えたのか待望の彼女が出来た。しかし、彼はそれで喜び安心した訳では無い。  ややもすると、彼女を手放したら二度と自分に、彼女なり結婚相手が現れないのでは無いかと時々不安になる。  何せ、自分の過去身である静子は、男に対して手玉に取るように冷たく接して来た。  ... 続きをみる

  • 過去から今日は 15

     経験値  駿人と茉莉の仲は順調に進む。ロードバイクで一緒にサイクリングコースを走る。それがやがて、自転車を離れてもデートをするようになる。  茉莉は学生。普通の家庭出身なので当然お金に余裕が無い。何処に行くにも交通費、食事代を駿人が出していた。  駿人はそれを惜しいとは思わない。  初めての、所... 続きをみる

  • 過去から今日は 14

     静子は語り始める。  静子達本土に残る女性達も工場などで働かされる。労働以外にも、敵と戦うために、それこそ竹槍の訓練をさせられる。  その指導に遣って来たのがそのエリートなる士官候補生。  彼は、隊列して「エイッ、ヤー」と竹槍を振るう女性達を、他の指導員と共に見て回る。  そして、静子の近くに来... 続きをみる

  • 過去から今日は 13

    「やあ、この前はどうも」 「走んないの?」 「ウチらの周りでは見られない田園風景が珍しくて、見取れていたんだ」  茉莉は自転車を降り、駿人の側に来る。 「今日は1人?」 「ミニロードレースがあって、その大会にメンバー達行っちゃって、今日は1人」  どうやら、いつものメンバーはどこかの大会に行ったら... 続きをみる

  • 新曲の歌が完成です

    少しの期間、物語を休んで曲作りに没頭してました。 この程完成に至り、発表できるようになりましたのでご報告します。 【song】振り向けば 【Music】「君の瞳の中に」に歌詞を入れた曲です。  題名が違うのは、瞳という文字を使用している曲が多かったので「振り向けば」に変更しました。 よろしかったら... 続きをみる

  • 過去から今日は 12

     ロードバイク  駿人は手賀沼周辺を周回するサイクルロードに来ていた。  最初は近くのサイクルロードを走っていた。が、その道に出るまでが、車が激しく行き交う道路を走り抜けなければならない。  短い間隔の信号や混雑した道をロードバイクで走るのはどうも苦手で、とにかくゆったり走れるサイクルロードを求め... 続きをみる

  • 過去から今日は 11

    「また、あの女性と楽しむ積もり? お金払って」  静子は更に食い下がるように聞く。  駿人は面倒臭そうに、 「いや、彼女とは一回で十分」 「思ったより、そっちの方はさっぱりしてんだね。覚えたてというのは、とかく遣りたくてしょうがなくなるもんだけどな」 「お、静もそうだったのか?」 「『お』、で、切... 続きをみる