大空ひろしのオリジナル小説

オリジナル小説や音楽を

2023年10月のブログ記事

  • 今日から今日は 27

     甘味処喫茶。  美奈は美味しいと言うより嬉しいというような笑顔。 (やっぱり、若い子の笑顔って最高だな)  駿人も美奈の笑顔にほっこりする。 「美味しいー」 「良かった。沢山食べな」 「うん。彼も甘い物が好きだったら良かったのにな」 (うん? 彼? 今、彼と言ったのか? 聞き違いか?) 「私の彼... 続きをみる

  • 過去から今日は 27

     駿人と美奈はスパゲティ専門店に居た。 「ごめんな。もっと高級な店とか有名店の方が良いのかも知れないけど、俺自身行った事無いし、未だ社会人だからお金の方もね。もし次も一緒に食事する機会が出来たら、それまで調べて置くから」 「私も高級店とかに入ったこと無いです。そういうお店ってルールみたいなのがあり... 続きをみる

  • 過去から今日は 26

     少し前に数件覗いて歩いたので、店の場所は殆ど迷わずに駿人は目的の喫茶店に辿り着いた。  エミーこと、本名・美奈。  顔は姉の奈未と余り似ていない。奈未の方が美人だった。だが、駿人には美奈の方が何となく惹かれる。 「お姉ちゃんを別れさせてくれてありがとう」  声は可愛い。甘い声はメイドバイトで鍛え... 続きをみる

  • 過去から今日は 25

    「これって、メイド喫茶の招待券?」 「そうだって。成美が言ってた。成美が奈未君から預かったんだって。駿君に渡してくれって」  親しくなったお客に、個人的に渡す招待券だという。勿論、お店のオーナーも賛同済みの物。 「若しかして、奈未ちゃんの妹さんから?」 「そう。お姉さんを救い出してくれたお礼だって... 続きをみる

  • 過去から今日は 24

     駿人は物陰に隠れる。そして、二人が目の前に来た時、 「奈未ちゃん。そんな男と一緒にいたら駄目だ」  嫉妬心が我を忘れさせたのか、見境も無く2人の前に出て叫んだ。 「なんだ、てめえ」  男は駿人に近づき、いきなりパンチを放った。パンチの勢いに負けて、無残にも腰が砕ける駿人。  鼻の辺りを手で拭うと... 続きをみる

  • 過去から今日は 23

     和雅が両親に会いに来た用を済ますと、駿人は和雅を自分の部屋に連れ込んだ。 「和さんは奈未という女の子を知ってますか?」 「知ってるよ。美人な子だよな」 「名字は何て言うんですか?」 「確か、峰村とかだったと思うよ。駿君はその子に会ったことあるのか? まさか、一目惚れしたって言うんじゃ無いだろうな... 続きをみる

  • 過去から今日は 22

     チャンス  最近の駿人は、何とか奈未とイケメンホストを切り離す手立てはないものかと思案ばかりしている。  元々IQが高いとは自分でも思っていないが、余りに策が浮かばないので自分に対し不機嫌になっている。  更に、静子とは喧嘩別れのようになり、ここのところ、とんと現れない。 「おーい、お静さんよ。... 続きをみる

  • 過去から今日は 21

    「お静、居るか?」  駿人は自分一人の部屋で静子を呼ぶ。 「だから、気安く呼び出すなって言ったでしょ」 「いいじゃん。どうせ暇して退屈なんだろ?」 「まあね」 「あのさ、俺、メイド喫茶行ってきたぞ」 「ウチの言葉を実行したのね」 「おう。それで、大変なことになったんだ」 「あのね、いちいち説明しな... 続きをみる