大空ひろしのオリジナル小説

オリジナル小説や音楽を

花の季節

桜の季節が始まった。桜の種類によってはこれからが本番。
その桜を差し置いて先ずはチューリップを話題にしたい。


チューリップの色や形。近年は非常に種類が多くなってる。
同色が列を成して咲き誇る姿は、それなりに壮大。
でも、美しさの感動は薄い。何故なのか。見飽きたから?
果たしてそのような感想は自分だけなのだろうか?


球根を土に埋め、芽を出し、そして咲いたチューリップ。
手を掛けて育てたチューリップは、例え一本でも美しい。
なのに、チューリップ畑とかチューリップ公園とかには感動が湧いて来ない。
沢山のチューリップに囲まれていても。


桜はどうか? 一本の木でも目を楽しませてくれるが、多ければ多いほどその美しさが増す。
果たしてチューリップ畑と何が違うのか?
地上と樹上の違いだろうか? 否、そうではないと思う。


地上に咲き誇る菜の花畑。過去に田んぼを彩った一面のレンゲソウ。丘を埋め尽くす「ひたち海浜公園」のネモフィラなどもとても美しい。


どの位置に咲いていても美しさの差にはならない。
視界を埋める広さでも無ければ分量でも無い。


単一色の美しさはどうだろうか?
桜の淡いピンクが連なる光景も、頭上に覆い被さり咲く光景も良い。


だが、様々な色彩のチューリップ。大量であればあるほど飽食を感じてしまう。


では、同じように多くの色が咲き競うツツビの丘はどうなのか?
思わず写真を撮りたくなる美しい色彩。
紅葉と同じような感動だ。


花の分量の差なのか?
小花が寄り添いひしめき合って咲いている様(さま)が美しいのか?


そう考えると、チューリップの花は少しボリュームがあり過ぎるのかも知れない。


様々な思索を繰り広げているうちに、ある事に思い至った。
あれこれ考えているより、花々の美しさを素直に感動した方が心を幸福にしてくれる。


みなさ~ん! 殺風景さを感じていた眼に喜びを与えてくれる季節がやって来ました。
大いに楽しみましょう。



       





【大空ひろし】 八重のさくら/feat.さとうささら